自分の心の火が揺らついているとそれを整え直すのに「他」の「火」にあたりにいきたくなるもの。民俗学では「旅」を「他火」と書くそうだ。そんな「他」の「火」にあたりながら考察する「夢多(ムダ)」の多い日誌。


by agtec
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廃校空き教室活用シンポジウム(前編)

 2000年4月の地方分権一括法の施行により、住民に関わる身近な行政は国(中央)ではなくできる限り地方が行うこととして、各市町村自治体が自主性と自立性をもって十分に対応するような措置がとられてから、郵便局の民営化(僻地からの撤退)に、平成の大合併、夕張の破綻など、小泉さんが行ってきた痛みを伴う改革によって格差社会と呼ばれて久しい昨今、本政策に掲げる自主性自立性に思わず首をかしげてしまう。住民にとってみれば地域に権限が委譲することによって自分の住んでいる地域により自信と誇をもてる暮らしをわれわれの手でつくっていけるという期待もあったはずだが、フタを開けてみれば痛みばっかりのような気もする。ま、こんなことは広くメディアやマスコミでも取り上げられているのであえて深くは突っ込まないが、暮らしという点でいえば自治体の財政問題に絡む合併などでの行政サービスの希薄化、効率性を優先した公共施設やサービスの縮小化などそこに腰をおろして生活を営んできた住民にとって、「安泰・便利」から「不安・不便」な暮らしへの移行も余儀なくされている地域も多いのではないだろうか。そんな地域の暮らしの中でイチバン地域の人々がコミュニティをつくりやすい場所、それは「学校」。いま、この地域の中の学校にも存続や統廃合など、近年の政策のしわ寄せのように存続の危機に多く直面している地域も少なくない。とくにこのような問題が多い地域は、自治体の財政難による合併や少子化問題も絡みながら、とくに過疎化や住民の高年齢化に伴って中山間地域をはじめ多くの農村部に顕著にみられる。しかし、一方東京の過密地域でも少子化が主な要因であるようだが都心の学校で母校がなくなるという危機に直面しているところもある。
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 さて、北海道に目をやれば、オイラの住んでいるとなりの旭川市。この人口36万人を抱える北海道第2の都市の中核都市でさえ、学校の統廃合問題は現実的なものになっている。昨年4月に、旭川の郊外にあり今話題の旭山動物園のある校区に建つ第4小学校が廃校になった。また観光地としても有名な神居古潭地区にある神居古潭小中学校も今年3月に閉校となる。今後も統廃合の予定の学校も数校あるといい、市教育委員会でも適正な学校規模に調整していく予定とのことだ。廃校になった2つの学校の理由はいずれも児童数の減少だそう。豊田の第4小学校では学校がなくなったことで、地域に明らかな変化が起きている。これまで空き教室を活用していた地域の年配の方々が家から出なくなったとか、祭りや運動会などの学校を中心に関わってきた行事もなくなり、地域の人が顔を合わす機会がなくなってきたと地元の校区の住民はいう。
 そんな中、廃校になった地区の有志などにより、この問題を広くみんなで解決・議論していこうと、昨年晩秋に、廃校やこのような問題を抱えている地域地域が情報交換などできるように「廃校と地域づくり・まちづくりを考えるネットワーク」(代表:古屋勝)を立ち上げ、本日、同ネットワークと旭川農業2世紀塾主催(後援:旭川市・旭川大学・東海大学)による、「廃校空き校舎の活用とまちづくり・地域づくりを考える」と題したシンポジウムが開催された。オイラの会社アグリテックでは、地域資源を活用したまちづくりなどのマネジメントや体験観光のお仕事をしており、代表の古屋さんはアグリテックの農業体験の受け入れ農家さんでもあるということも縁で、今回パネルディスカッションにパネラーとしてお声がかかった。で、アグリテックの代表である井下が討論に参加させてもらったのだ(写真▽右から2番目)。
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 コーディネーターに佐々木悟氏(旭川大学の副学長、写真左端)、パネラーは井下のほかに、同ネットワーク代表の古屋勝氏(写真左より2番目)、小河幸次氏(東海大学芸術工学部くらしデザイン学科教授、アトリエトムテ理事長、写真右端)の4人。討論テーマは「行政財産を無駄にせず、地域の振興を図る」ということだったが、コーディネーターの佐々木氏より、地域振興、つまり地域づくり、町づくりという視点で、とくに実際に廃校になった旭川の小学校は農村部ということもあり、昨今の農業政策や農業・農村のあり方・展望などに重きを置いた内容でパネルディスカッションは進んでいった・・・。続きは、次回後編で。(つづく)

( 追 伸 )
 尚、このような地域の現状の踏まえ、様々な形で全国津々浦々、町づくりや地域づくりなどの起爆剤に廃校活用や跡地利用などの取り組みが活発に行われている。このような学校の統廃合問題は地域の暮らしや生活、とくに地域が元気になるべき源でもある子育て環境や、近年変化しつつあるいじめ問題や少年犯罪の低年齢化なども広く関係しているような気もする。さらに、学校区における地域内コミュニティーは学校を核とした運動会や学校行事など地域のコミュニティー形成に大きな役割を持つものと考える。で、オイラの他火日誌でも、このような「夢多(ムダ)」話があってもいいだろうと、ブログに新カテゴリジャンルとして「校区コミュニティ」を追加。不定期でコラム的に「夢多(ムダ)」話をしていこうと思う。UPされた際にはこんな「夢多(ムダ)話」にもお付き合いを・・・。
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by agtec | 2007-01-29 23:47 | ●まちづくり関係コラム