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自分の心の火が揺らついているとそれを整え直すのに「他」の「火」にあたりにいきたくなるもの。民俗学では「旅」を「他火」と書くそうだ。そんな「他」の「火」にあたりながら考察する「夢多(ムダ)」の多い日誌。


by agtec
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農業体験受け入れ準備

 時刻はもう明日になる・・・。
 今年度最後となる、農業体験型の修学旅行の受け入れが明日ある。昨日も最近の修旅について語ったが、学校は大阪の公立高校で、やはり航空機を利用して、ここ北海道を目的地としている。そして全旅程中、観光は小樽くらいで、あとは農業体験も含めアウトドア体験など体験型の旅行だ。
 さて、このような教育旅行での上川地区農業体験の担当責任者のようになっていまっているオイラはというと、いつものことながら、受け入れ農家さんの作業や季節柄の都合上、協力していただける農家さんは限られれてくるのが現状で、受け入れ日近くなって、バタバタと決まっていくことが多く、スタッフは受け入れ農家が決まってから、当日の受け入れが問題なく安全・安心に実施されるように、受け入れの段取りや変更になった農家さんの資料づくり、そして緊急の場合の連絡体制の確認など改めて調整しなおし、万全な受け入れ態勢にするのだが、その調整真っ最中に気分転換でブログを書いている。
 ところで、なぜ受け入れ農家が決まるのが難航するのか。このあたりではこのような農業体験の受け入れの免疫は殆どなかった地域で、ある意味ゼロから地域にある農村資源を活用した町づくり的活動をはじめたのはここ最近。中には個々に生産者と消費者との交流ということで、古くから活動してこられた農家さんも少なくはないのだが、それら点の活動をエリアとして行うことによって、自分の住んでいる地域の再発見と、5年後も10年後も住んでいてよかったと思える地域づくりとしての取り組みにできないだろうかという側面も合わせもった企画をしているのだから、これまでそんな受け入れをしたことがないという農家さんにも受け入れのお願いをしに行ったりしているわけで、農家さんにとってみたらオイラには会いたくないと思っている農家さんもいるんじゃないだろうかと思うこともしばしばである。
 しかし、かたくなに拒んでらっしゃった農家さんが、いよいよ受け入れ農家さんがなく最後の頼みに行って、仕方なく受け入れるような感じで対応してもらったことがあったが、体験が終わって生徒とお別れとなると、「なんだい!もうそんな時間かい。もっといねぇーのかい。なんだよー、おまえら大きくなったらまた来いよー。植えていった苗なぁ、収穫したら送っからなぁー」と、人が変わったように生徒を見送っていただいたことがあった。今ではその農家さんは常連になっている。
農業体験受け入れ準備_a0064927_0551274.jpg
 体験メニューはあえてつくらず、農家さんにすべて委ね、その日そのときの農家さんの作業を通した体験を行っている。3~4名くらの少人数での受け入れをお願いしているのも、農家さんの負担を少なくし、目の届く範囲でより深い交流を目的にしていることもある。逆に体験メニューをつくっておもてなし的な内容になると、結構「ホンモノ」やココロの中の「ホンネ」の部分というのは上っ面だけになってしまうと考えるからだ。農家も日々の作業に真剣に向き合っているわけで、そのとき、その場面でしかできない体験をすることによって、生徒も真剣にその作業の意味や疑問、驚きなどを発見していく。そして農家側も当たり前のものへの意外な発見や、地域文化の再確認をする。双方向的にそれらいきざまに触れるようなホンモノ体験を通じて、精神的感情が高まり「感動体験」が生まれるのではないかと考えるのだ。そういった感動体験が「人」としての「個」の部分の成長に何かしら役にたってもらえたらと、オイラの勘違いかもしれないが、そう思ってプロの専業農家さんによるホンモノ農業体験の企画を続けている。
 さて、明日はどのような感動体験が生まれるのか。そして生徒にとってもどんな「他火(旅)」になるのか。まずは、それを演出するためにもこの机にある資料を整理して受け入れの段取りの準備をしなくてはー!うぉー!!資料が山積みだぁ・・・。
by agtec | 2006-10-05 23:47 | ●体験観光レポート