自分の心の火が揺らついているとそれを整え直すのに「他」の「火」にあたりにいきたくなるもの。民俗学では「旅」を「他火」と書くそうだ。そんな「他」の「火」にあたりながら考察する「夢多(ムダ)」の多い日誌。


by agtec
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カテゴリ:●食育・食農教育コラム( 7 )

産直革命

不況だけど元気だった農村 
 今から10年前。世の中はバブル崩壊のショックで不況の真っ只中、オイラたちの仕事場である農村も経済的なダメージも当然あったが、さらに追い討ちをかけるように、平成の大凶作や食管法の改正や、直接支払いなど生産面や農政面でもいろいろな転換の時期でもあった。前にロストジェネレーションなんて話もしたけど(4月4日の日誌参照)、いわゆるこのような時代を世は「空白の10年」なんかと呼ぶ。
 しかし、一方で世の中の経済の動向と同じように確かに厳しい農村ではあったものの、都市にはない「不況だけど元気がある」農村でもあった。その元気の出所は「米じゃ喰ってけねぇ」とか「補助が出ねぇ」とか「やってもしょうがねぇ」とないないづくししか言わない働き盛りの男衆でもなく、元気の主役となっていたのは実は農村女性や高齢者たちで農産物の直売所を通した活動(運動)にあった。
 
かあちゃんたちの直売運動
 以前から活動をされていた方たちもいるが、全国的なうねりになるきっかけ的なものは、1993年の平成の大凶作による米不足に起因するかと思う。このとき世の消費者は緊急輸入したタイ米より国内のお米を食べたいということで、農家の自家用米の残りでもいいからと生産者に直接お米を買い求めた。当時闇米や縁故米とか言われたお米による、いわゆる「お米の直売」を皮切りに、かあちゃんたちやじいちゃんばあちゃんたちが自家用でつくっていた野菜、けれど余してしまうからといっておすそわけ感覚でついでに渡した野菜を消費者は「ただでもらうのは悪いから」とお金を払い、農家は「いいよ持っていきな」という関係からはじまったであろう直売所活動(それがきっかけとは言い切れないが)。
 以降この不況下、全国津々浦々あちこちに直売所の拠点は増え、その数は今や1万3000~1万5000ヶ所ともいわれ、年間ン憶もの売上を上げる直売所も現われ、農業分野でのいちばんの成長産業にもなっている。これも大半は農村女性や高齢者たちだ。まさかこのような産業になるとは思いもしなかったのは、おそらく「オラの町にはなんにもねぇ」としか言ってこなかった農村男性たちではないだろうか。今では、系統出荷用の野菜より直売用の野菜の栽培のほうが主力になってしまったという農家もあって、かあちゃんに頭があがらない農家もいるのではないだろうか(事実、オイラの実家もそのひとつだけどね)。

北海道でも食流通の革命が次々と起こっている事実  
 で、こんな話を書いたのも、本日付の北海道新聞にそんな直売的な記事が2本も出ていたからで、戦後、食料生産基地として規模拡大して原料出荷だけした北海道が、このような畑と食卓をつなげるような(生産する人、食べる人との顔の見えるような交流的な)動きがあちこちで起きている事実に思わず嬉しくなってしまうからだ。
 でその新聞記事だが、どういう記事かというと、1つは9面の記事。「道内最大級直売所」の見出しで札幌丘珠に開設される「さっぽろ村わくわく広場」。売り場面積500平方mで道央圏の農家200人、野菜や生花130種と多様な種類も魅力。しかも、運営するのは「北進農材」という肥料などの農業資材卸業者。農家200人とは同社との資材等を取引している農家だ。ここがポイントかと思う。昨今の農政は市場経済原理にのっとって大きな農家確保の農政になっており、小さい農家は切り捨てのような政策なのだ。実は同社と取引している農家は、中小規模農家が多いという。つまり、資材関係業者もこのような中小規模農家さんによっても成り立っている。
 そんな中でこの直売所運営は、少しでも農家さんが自分で値段を決めて販売していただく場の提供と、一方業者としては出品してくれる農家さんに対して営農のアドバイスはもちろん多種多様な品種や種類にあわせた肥料や資材の販売などもできるということでもあろう。机上で農政を考えているお役人さんはこのようなかあちゃん農家や中小規模の農家が日本の農業の根底にあるという現場が見えていないから、ただ土地を集約して大きな農家をつくれば農業も元気になるってことぐらいしか考えらんないんだね、きっと。
 
 それと、もうひとつの記事は、1面の記事。「2隻の水揚げ丸ごと店頭に」という見出し。何のことだ?と一瞬思ったが、要はこうだ。道北中心に店舗展開するエーコープ旭川(旭川市)と、漁連・漁業者による取り組みで、「産地→スーパー→魚直送」という小見出しからも分かるように、魚の産直だ。つまり、記事によれば「道漁連が漁業者とスーパーの間を取り持ち、市場を通さない新たな流通方法の開拓に取り組み始めた」のだ。
 どういう仕組みかというと、「道漁連が間に入り、同漁協とエーコープ旭川は、①同漁協鬼鹿支部所属の刺し網漁船二隻が毎朝水揚げするすべて、同社が買い取る②魚の運搬には、毎朝留萌管内の店舗に商品を配達する同社の運搬車を利用する」と記事になっていた。なるほど、②に関してはあちこちに店舗を展開するスーパーならではの発想だ。運搬業者等が頭を抱えているのは目的地に荷物を運んだあと、カラッポのトラックで回送するだけではもったいない。これによって流通の時間や輸送経費も抑えることができたという。また、農村だけでなく、いま漁村も深刻な問題で、このような産直の取り組みは漁業者にも大きな励みにもなっているという。一方、お客さんにしてみれば、朝水揚げされたものが並ぶので、まだエラで呼吸している魚もいて新鮮で、また、スーパーが買い取るので、規格外の魚や馴染みの薄い魚も店頭に並べられ消費者には好評だという。
 (※これらの記事詳細内容は北海道新聞をご覧下さい)

ホントの意味での「地域のための食の道路」をつくろう! 
 「畑」と「海」と、食の生まれる現場は違えど、直売の魅力は、これまで流通規格にのった規格商品ではなく、曲がったキュウリもキュウリだし、大きくたって小さくたって魚は魚だし、「食べる」側が求めているものが「流通規格」という近代の食ビジネスによって、「作り手」と「食べ手」との関係を疎遠にされてしまっているということもこれまた事実でもある。
 まさに90年代に起きた農家のかあちゃんたちによる「産直革命」が、いまさまざまな形となって社会的にいろんなうねりを起こしていることにただただ脱帽してしまうのと同時に、おおげさではあるが21世紀型の「畑(海)」と「食卓」がもう一度ホントウの意味で再構築されてつながる一歩になっていく予感がする今回の「食コラム」でした。
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by agtec | 2007-04-20 23:58 | ●食育・食農教育コラム
 昨日地方へ行くと書き込みをしたが、いまライターの仕事なんかもしてまして(特に農政関係の記事の委託取材が主なんだけど)、今日はその仕事で取材に行ってきたのだ(いやはや、やっぱり新しい車での雪道での遠出は緊張で肩がこった)。で、今回は取材内容は別にして昨今の農業政策について一言書き込んでみようかなと。
 ここ最近の農業政策の事情はというと、ご存知にように「農業も国際競争力をつけなければ諸外国に勝てない」として、農業も普通の産業と同じような位置付けをし、国も「これまで補助をしてきたけど財政が苦しいので基準に満たした限定の農家にしか出せません。それぞれが独自に儲かる農業をしていってください」という。この、国のいう限定した農家とは経営規模を大きくすることで競争力をつけ生産性を高めてちょうだいと大きな農業のことを言っておりまして、平成11年に策定された「食糧・農業・農村基本法」に沿ってこのような形で具体的に進められている政策が今の政策なんだけどさ・・・。
 さて、少子高齢化が問題化している農村にはいわゆる「経営所得安定対策等大綱」として、規模の大きな農家(これから拡大する農家や法人格も含めて)を担い手として位置付ける担い手の育成・確保等の政策を緊急に講じていることはみなさんもご存知かと思うが、もともと小さな家族労働で経営してきたニッポンの農業をいきなり「大きな経営にしろ」っていわれてもねぇである。北海道の経営でさえ、アメリカやオーストラリアのような農業に比べたら小さいほうだ。ニッポンの農業はただ単に生産するだけの産業としての農業という側面ももちろんあるが、特に水田に見られるように、農村景観や環境保全、さらに食糧としてのお米だけでなく、副産物である藁を活用した生活道具の創造や、ご飯を中心に彩られる地域の食の知恵や技、そして豊作を祈願するムラ祭りなど、生産以外の「農村文化(暮らし)」を築いてきた(このあたりが今オイラたちが行っているグリーンツーリズムや体験観光、教育旅行での農業・農村体験などにもつながっているんだけどね)。で主に経営のほうではここへきて、この基準に満たない小さな農家には補助金は出しません、大きな農家に出しますよというんだもの。いわゆる「農家の切り捨て政策だ」とよく言われているのはそういった政策だからだ(3年間の準備政策期間を経て明年よりいよいよ本格的にスタートする)。
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 「農業」はその地域独特の暮らしや文化をつくりあげていける唯一の産業だと思う。そして、その暮らしや文化に特化していえば、誰かがいう「美しい国」という発想がこのような農村風景も含めて喩えているいるのであれば、このように小さいながらも、欧米等に比べて狭いニッポンの国土を農地として分け合いながら共同で生産性を高めあって、扶助し合い暮らしを創造してきたニッポン特有の合理的多様性に満ちた小さい農業をどう考えているのだろう。目の届く範囲の小さい農業経営ほど多様な文化創造に向いていると思うのはオイラだけであろうか。
 さて、このような政策が進められている中、地域農業をどう守るかということで、特に重点政策になっている「米」でいえば全国で水田農業推進協議会という組織が立ち上がっているが、協議会では地域農業の未来予想図「地域水田農業ビジョン(産地づくり設計図)」というものを策定し、地域農業もそうだが、農家としての経営をどう維持していくかをその地域独自の創意工夫で行ってくださいといわれている。そしてそれを受けて、全国でさまざまな取り組みが各協議会を中心に市町村単位で進められている。で今日は、日本海側にある留萌市の水田農業推進協議会の取り組みを取材してきたんだけど(これから原稿は書き上げなきゃならないんだけどね)、留萌に限らず農村現場では地域農業をどう維持していくかということに必死であるにも関わらず、追い討ちをかけるように、最近新聞を賑わしているオーストラリアとの経済連携協定での関税撤廃問題も浮上してきた。仮にオーストラリアから関税ナシで安価で農産物が入ってきたら、特に北海道の主要4品、小麦、肉牛、乳製品、砂糖(ビート)だけでも大変な生産額減少になるという道の試算もある。原料生産でいえば、特に畑作産品を生産している十勝地方は壊滅的という話も出てきている。そして当然、農業だけの問題ではなく、製粉会社や食肉加工業者、流通業者なども安い加工品が入ってきたりすることで経営への打撃は避けられない。
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 食糧自給率もままならないこのニッポンで、競争や生産性の数字だけで、生産現場でさえ守れないニッポンのお偉い方々は「食育」の推進だとか「地産地消」だとかいいながら支持率回復を目論んでかなんだか分からないけど、学校給食を食べてパフォーマンスなんかしている場合じゃないんじゃないの?と、生産現場で現状の生の声を聞いた取材のあとの余韻もあってちょっと興奮している今回の「食コラム」でした。
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by agtec | 2006-12-08 23:51 | ●食育・食農教育コラム
 以前の話題にも書き込んだことがあるが、現在東川町で、受地主導型の滞在型体験型観光の町づくり事業を行っているが、微力ながら少々関わらせていただいており、本日その打合せがあった。町内にある温泉(旭岳、天人峡エリア)施設で、健康を意識した新しい宿泊プランを検討しており、昨日の書き込みで天人峡に行ったというのは、実はその事前打ち合わせだったんだけどね。で、今回各ホテルや旅館にお声がけして関心のあるオーナーや支配人にお集まりいただいて、健康のテーマに合った料理を提供できないだろうかというお話の場を本日改めてもった。とりわけ、宿泊施設のメインサービスのひとつである「食」に関しては、本事業の呼びかけに協力していただいている地元の大学の栄養学の先生にもアドバイザー的な助言をいただきながら、宿泊プランに沿った料理メニューがつくれないだろうかと模索している。
 ところで、現代のライフスタイルのキーワードとして「快適(健康)性」「感動性」「自己実現」等があげられる。特に「モノの豊かさ」ではなく「ココロの豊かさ」を追求した「個(性)」の欲求の満足感や達成感に関心が移ってきている。そこで、本事業のテーマとしては、普段の体内にたまった悪性の化学物質やストレスなどを、温泉(入浴)や、食事(食)、北海道の大自然の中での満喫体験(運動)のそれぞれを連結させて、いわゆる「毒出し」をしようじゃないかという『デトックス』というキーワードをテーマに、特にお客さん個人の体質や体調に合わせて様々な解毒効果を演出しようということで、ホテル関係者に限らず、各体験観光のガイドの方々や町民有志なども別の打ち合わせの場をもって度々このような打ち合わせを設けてもいる。そして今回宿泊施設のみでの打ち合わせで、「健康」を入り口にこの「デトックス」をキーワードに考えた場合、直接的に結びつくもののひとつとして「料理(食)」の存在は不可欠だという点ではどこのホテル・旅館も一致しているが、提供する料理をどうこのテーマに沿ってメディア(情報媒体)化し、「個」が満足するプランとして設定していくかが最大の焦点となっていて、頭を悩ませているところが現状だ。
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 さて、そんな打合せの中、昨今の「食」への関心はというと、「美味しい」は当然のこと「安心・安全」、「地産地消」、そして「食育」という新しい教育キーワードも出てきたり、人が生きる上で欠かせないものであるが故に様々な切り口で語られているが、特に都市住民や健康志向等を考えている方々は農村ならではの地域の食文化に感動と驚きを覚える。さらに、一般的に旅先で期待する「食」というのは(とりわけここ数年の田舎への旅行では)、食材の生産のこだわりや伝統や郷土料理なんかに関心が高く、旅行者はそれを楽しみと目的にしている方が多い。そしてそれらは、実はその地元の農家で普段食卓にあがっている地元の人たちがよく食べる家庭料理だったりもする。
 家庭料理といえば「家庭料理」という料理ジャンルの地位を高めたであろう故土井勝先生なんかはおふくろの味の伝達人として名高いよね。そもそも家庭料理とは「家族の健康を思うココロからつくられる料理」である。昨今、成人病や糖尿、肥満など現代人特有の「食」からくる身体の問題は、「食」をお腹を満たす「モノ」としてみてしまっている物質的欲求に支配されてしまっている不安から、このような健康志向の旅行やプランなどが好まれているのかもしれない。というオイラもこんな書き込みをしているにも関わらず、今晩はカップラーメンだ・・・。この矛盾が今の世の中かもしれないね。今回の「食コラム」でした。
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by agtec | 2006-11-30 23:57 | ●食育・食農教育コラム
 今日、旭川市内についでの用事があったので、今月末の支払いを先に支払っておこうと取引のある魚屋さんに寄ってきた。このあたりは主峰旭岳を含む大雪山連邦の恩恵を受ける内陸部なのに、新鮮な魚介類が豊富にある地域だ。日本海、オホーツク海、太平洋と海は遠けれど、旭川地方ってところは北海道の真中といっても過言ではないほど、ちょうど陸便の中継地点でもあり、四方の海で採れた魚介類が集まってくる。当然市場も卸屋さんも小売業もたいへん多く、新鮮な北海道ならではの魚介類が海まで行かなくとも安価で購入できる恵まれた地域でもある。
 そんな魚介類を本州の方にもおすそ分けをしようということで、オイラの会社でも専門店等と取引させてもらっているが、そのうちのひとつの魚屋さんが今日行ったところ。「どうだい、この鮭。脂乗ってるだろう」「おっとー、ホントだね、ウロコが違うもんね」と、まー、イラストはこういった会話のやりとりの一部。鮭は学生時代網走だったので、よく自分で一本釣りなんかして、きれいにさばいて栃木の実家に送ったりしてた。オイラの実家は北海道の鮭が大好きなんだ。毎年送ってるんだけど。今日は大将の薦めもあって、お歳暮にはちょっと早すぎるがこの脂が乗ってる鮭を鮭好きな実家に送ることにした(父さんはサケ違いの酒も好きだが)。
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 栃木で鮭といえば、冬の味覚である。栃木も内陸部なので、どちらかというと保存食的なものが冬場は多いのだが、ひとつ、いや今ではふたつ昔の話になるか、鮭は正月料理の贅沢品だったそうだ。内陸部で海のものっていったらそうかもしれないね。また、関東特有の「カラッ風」で最高に寒い季節の2月の行事といえば、節分。節分で撒いた豆と、冬野菜、そして正月に使った鮭の頭を利用して「しもつかれ(「しもつかれ」について詳しいHPがあったので覗いてみて)」という郷土料理がある。ダイコンを「鬼おろし」という荒くおろすダイコンおろしでおろし、ダイコンの水分だけで、豆やニンジンなどの食材と一緒に正月に使った鮭の残りの頭を粗落とししそれを煮る。最後に酒かすを入れて完成なんだけど、これが栃木の馴染みの冬の保存食である。紹介したつくり方は一般的なつくり方だけど、各家庭によって作り方もそうだが入れる食材によってもちろん味も違う。地方から来たお嫁さんはこれが作れないとよくお姑さんに叱られていたという。オイラの母さんは隣町なので、もうお手のものだったようだけど。さて、見た目はグロテスクという人もいるが、これが結構ご飯に合う。特に、冷まして食べるというのが特徴だ。子供の頃は嫌いだったけど、故郷を離れてから好きになった。
 それぞれの地域にある食の文化。今回の食コラム「フードは風土」は、コラムとは言えないけど栃木の鮭のかんた~んなお話でした。
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by agtec | 2006-11-28 20:39 | ●食育・食農教育コラム
 北海道は徐々に冬仕度が必要な季節になってきた。昨日の旭川地方の夜の冷え込みはマイナス3℃。いや~、いよいよ里地にもいつ雪が降ってもおかしくない季節の変わり目だ。
 さて、ただいま、みなさまに北の大地の味覚のおすそわけとして、「北の大地の福袋~秋の味覚セット~」をアグリテックにて販売中だ。日々発送に追われてもいるのだが、今年は試作で仕切りを入れて配達中に、野菜がバラバラになるのを防ぐダンボールを入れた。届いてからも見た目もきれいで評判はまずまず。また、収穫された状態で送っているので、土付きとなっている。先日お客さんより「箱を開けたら、畑の香りがしてなつかしい感じがしました」とお電話をいただいた。鮮度ととりたてということで土付きとしてお届けしていたが、お客さんにそう感想を言われて、なるほど~とオイラも逆に発見させてもらった。まさに、畑と食卓がつながったというわけだ。おっと、そんな単純なことではないけれどね。
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 アグリテックのHPリニューアル中で、情報発信が滞っていましてご迷惑かけていますが、ここでお知らせです。この「北の大地の福袋~秋の味覚セット~」ただいま販売中です。土づくりにこだわり、農薬の使用を抑えた生産者のみなさんが栽培された野菜を詰め合わせとしてお送りいたしております。セット内容は、じゃがいも(3種食べ比べ)、カボチャ、タマネギ、ニンジンの約10㎏相当を、送料・税込3,500円にてお送りいたしております。是非、お問合せください(連日宣伝ばかりになってしまっているが)。
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by agtec | 2006-10-24 19:41 | ●食育・食農教育コラム
 週末は、東川町が行っている地域づくりの事業の打ち合わせ等でバタバタしており、ついに書き込みにちょっと間が出てしまった。本事業は体験型観光開発的な要素もあるので、この件に関しては、みなさんに体験ツアーという形でお知らせできるかと思うので、また別の機会にご案内とお話するとして、よし!今週から空いた日を取り戻そう!

 さて、先週、町内でドッグランを持ち、ペットも泊まれるペンション(バリアフリーで身障者も対応OK)を経営しているミルキーアンドサリハウスの七尾マスターからお電話をもらった。ペンションに宿泊したお客の食事を出すところもかねてレストランも併設しているのだが、「新しい商品ができたんだけど」との連絡だった。それは、なんと「お米の麺」。名付けて「ごめん」!
 これが、ただの米粉の麺とはちょっと違う。なんといっても、つなぎなしの米粉100%の麺だから驚き。米粉を利用した加工品は東川町内はけっこうあるのだが、お菓子にしてもなんにしてもやはり米粉を100%使ったものとなると難しい。だが、この「ごめん」は超微粒粉砕した米粉を使っているので、麺にしてもつなぎなど入れなくても自然に100%の米の麺として加工されている。つまり、100%「米」なわけだから、小麦アレルギーの方でも、麺としての料理を楽しめるというわけだ。また、加工場もお米しか扱っていない製粉加工場に依頼しているので、小麦やそばなど他の穀類の粉末も1粒子さえ混ざらないという徹底さがあるので安心でもある。さてお味は?
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というと、今回イチバン美味しい食べ方としてレストランのメニューにもなっている「お茶漬け」をいただいた。う~ん。ズルズルと口の中に入るまでは麺の感覚。そうめんをすすっている感じ。しかし!味はかめばかむほど、お米なのだ。そりゃそうだが。「お茶漬け麺」だけど、普通にお茶漬けを食べているという感じ。でも、ダシもあっさり、口あたりもさわやかといった感じで、サラリと食べることができる。これはオススメだ。お酒のあとにいいかも。他にも、「ごめん」でいなり寿司や、ラーメン、めんつゆにつけて食べるあっさりそうめん風などのメニューもある他、ハンバーグのつなぎやギョーザの具など、アレルギーの方も安心して食べられる用途としての活用もさまざまだ。

 と、いうことで、11月より「ごめん」をアグリテックの通販で取り扱うことにしました。常温で半年持つというから、非常食にもピッタリ。さて、通販ページはただいまリニューアル中ですので、UPの際には是非、お求めください。尚、予約も可能です。単価等はアグリテックまでお問合せください。これも早急に打ち合わせ中です(ちょっと宣伝になってしまったが)。
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by agtec | 2006-10-23 19:52 | ●食育・食農教育コラム
 本日2005年11月15日、21:15~、なんと旭川の「旭山動物園」がNHKの番組「プロジェクトX」になって放映される。一時は廃園の危機に陥った旭山動物園。ところが、今では全国一の入園者数を誇るまでの有名な動物園になった。何がそうさせたのか。パンダのような珍しい動物がいるわけでもない。確かに日本最北の動物園でもあるが、それだけでここまで有名になる要素は少ない。まぁ、今さら言うまでもなく、みなさんご存知のように動物園の見せ方に答えがあった。いわゆるこれまでの姿、形を見せる「形態展示」ではなく「鳥は、空を飛んでこそ鳥だ(小菅園長)」と、鳥が自由に飛ぶ能力や自然の鳥の姿を観察できるように園内に大きな鳥カゴをつくって人間がその中に入っていく「行動展示」重視の施設をつくったのは今から8年前の1997年9月。動物園の運命をかけた「行動展示」がスタートした元年。それからの軌跡はいうまでもない。「動物本来の姿や動き、当たり前の自然の姿を伝えたい」という小菅園長の熱い思いがそこにある。

●食卓と畑が遠い
 動物園の話が長くなったが、普段の当たり前のもの・・・、これは、動物だけでなく、われわれの生活の中にもあてはまることがある。中でも毎日欠かせない「食」の分野に関しては顕著だ。
 近年、遺伝子組み換えやBSE、鳥インフルエンザなどの食の問題が叫ばれている中、今まで当たり前のように地元の野菜を工夫して保存、料理して家族の食卓へ出すということができにくくなってきた。統計から見れば北海道は農業王国と言われ、自給率も180%あるが、その土地でとれたものは殆ど地場には流れない。すぐ隣の畑で栽培されているものが、違う場所で消費されているというおかしな食の流れがある。その殆どは札幌をはじめ、大都市を経由し首都圏方面に流れているのである。
 旭山動物園から車で10分。ここ、東川町は道内屈指のお米の産地で農業の町である。しかし、この一見豊かな農村部においても、このような食の流れがあるのは否めない。
 
●第1回食発ひがしかわから得られたおかあさんの知恵や技 
a0064927_1901468.jpg そんな中、地域の食をもう一度見直し、食卓と畑の距離を縮め、これまで培ってきた「食の知恵や技」から地域の食文化という宝の掘り起こしをしてみたらどうだろうと思い立った。地域のもつ魅力を再発見できないか。地元のおかあさん方に呼びかけて、特に東北各地で行われている「食の祭典」を参考に、東川町の普段の食卓を一同に集め「食」からいろんな思いを「発」っしていこうと、「食発ひがしかわ」というイベントをアグリテック主催で開催する運びとなった。
 第1回は、2004年の4月。北海道の長い冬も終わりかけのこの時期、もちろん旬の野菜は殆どない。なぜこの時期だったのか。 イベント開催を思い立ったのが2月。オイラが担当だったのが間違いだった。オイラはどちらかというとすぐ行動してしまうタイプのようで、やるならすぐやってみたいと企画して動き出してみたら食材の少ない4月開催になってしまったという裏話がある。
 イベントの趣旨を説明しながら、地域の農家のおかあさん方をはじめ、商工会のおかあさん方に「普段の家庭料理を一同に集めたイベントを開催したい!」と出品依頼にまわったが、この時期食材が何もないのは当然だし、「普段の料理?恥ずかしくて出せるわけないでしょ」と門前払いさせられたおかあさん方も少なくない。まぁ無理もない。
 しかしなんとか、40名のおかあさん方が協力してくださり、なんと約70品もの料理が会場に並んだ。ニンジンやダイコンなど、今採れたような食材の料理もあったが、それらにはなんと雪国ならでは雪中保存という知恵があった。なんにもないどころか、地元の食材を使った料理が殆どで、会場に集まったみなさんも驚いていた。食材が何もないと思っていた4月に開催したことは結果的におかあさん方や地域のもつ「食」のパワーを見せ付けられたことになった。
※この続きは、アグリテックHP「食発ひがしかわ」でまとめてあります。持ち寄られた料理も写真で公開しています。

●当たり前の凄さ 
 地域活性化やまちづくりの席では必ず「なんにもない」という言葉が社交辞令のようにいつも飛び交う。しかし、自分の暮らしている足元をのぞくと、普段の当たり前の暮らしの中に素晴らしい何かがある。旭山動物園も、飼育係りでしかわからない動物の本来の姿を、「行動展示」という手法で、動物本来の当たり前の姿を見せ、多くの来園者を迎えている。動物園再興のキーワードは「当たり前」の本来の姿だった。動物園もそうだが、「食」においても、それ以外においても、これまで培ってきた普段の当たり前の知恵や技を、ほんものの新しい地域資源に変えて、より豊かな地域として次世代に引き継いでいけるような活動をしていきたい。

このカテゴリーでは、そんな地域の食の達人たちを紹介していきます。
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by agtec | 2005-11-15 20:23 | ●食育・食農教育コラム