自分の心の火が揺らついているとそれを整え直すのに「他」の「火」にあたりにいきたくなるもの。民俗学では「旅」を「他火」と書くそうだ。そんな「他」の「火」にあたりながら考察する「夢多(ムダ)」の多い日誌。


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カテゴリ:●体験観光レポート( 19 )

吹雪の中の犬ぞり体験

 いや~、昨日の夜は、なんだかんだしながら深夜1:00ごろまで起きていたのだが、その頃は「ホントに大荒れの天気になるのかい?」と疑うくらい台風前の静けさの感じで穏やかな夜だった。がしかし、今日の朝は暴風の風の音で目を覚ました。案の定、外を見れば、重たい湿った雪が横なぶりに時折突風となって降っていた。いやはや、天気予報は当たったが、今日は「犬ぞり体験」のお客さんが来る日。「おいおい、大丈夫かい?」と慌てて受け入れ先に連絡し「なんとかなりそうだ」と心強いお返事。体験場所は東川ではなく、同じ上川管内の鷹栖町っていうところなんだけど、どうやら、同じ管内といっても大雪山麓の東川町と管内の西のほうにある鷹栖町では、風や雲の「通道」が違うようで、そんな荒れた天候でもないとのことで、とにかくお客さんとともに、レッツゴー!
 確かに、吹雪は吹雪でも、今日は気温が高いせいもあって(高いといっても0℃前後なんだけど)、それほど寒くもなく、「犬ぞり体験」だけでなく、なかなか北海道に住んでいても経験できないような貴重な「吹雪の体験」もできたと思う。というのも、今回お申込みいただいたお客さんは実は沖縄の方で、雪を見るのも触るのも初めてという北海道の冬初体験のお客さん。おかげさまで、この吹雪も貴重な体験として満足して無事体験を終えることができた。
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 ところで、我々受け入れ側にとってみれば、北海道最高峰の旭岳と大雪山連邦がくっきり見えて、さらに今日のような湿った雪ではなく、北海道ならではのパウダースノーのサラサラ感の雪の中を、颯爽と犬ぞりで走りぬけるような北海道の大自然の力を借りた演出をしたかったのだが、こんなに大荒れの天気になるとはね。でも、受け入れ側にとればこういった天候の日こそ、どう魅力的な演出をできるかが力のみせどころでもあり、またそれがお客さんにとってみても地域を知るといった意味での体験型観光の魅力でもあるのではないかと思う。「ホントはこうなんだけど~」とか「もっと晴れていたら」とか「いつもならこうなんだけど」などなど、「たら」「れば」をお客さんに言っても仕方がない。今ここにあるもの、今目の前で起こっていること自体が、現実なのである。この現実をいかに味方にするかということだ。
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 このような近年体験観光が増えている要因として癒しやゆとりなどを、自然や地域の暮らしの人物の生き方に触れたりする体験に求めている。しかし、自然は天候の変化が起こるし、毎年毎日が同じではない。何度か書き込みをしているグリーンシーズン中の農業体験などもそうだが、自然を相手にするようなこのような体験は、真実の自然の暮らしと関わっているが故に起こることでもあり、我々が目指している「本物の感動体験」の証でもあるのだ。自然や人の暮らしの営みを体験観光化していく上では、このような「ノンフィクション」の中に「ホントウの意味での暮らしの真実」がある。「予期せぬ自体」や「予定通りいかない」ときにどうするかを「ノンフィクション」の「ホンモノ体験」を通して「生きる力」の糧として学んでいただければと思うし、我々も魅力ある体験観光を創造していければと思うのである。今回の「体験観光コラム」でした(つづく)。
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by agtec | 2007-01-07 21:47 | ●体験観光レポート
 近ごろ「グリーンツーリズム推進の取り組みについて」や「農業体験受け入れについて」などの相談依頼を受ける機会が多くなってきた。
 昨日もある農業団体から依頼があって、オイラの会社で取り組んでいる「グリーンツーリズム事業」についての説明を農業体験の受け入れを中心にお話してきた。何度か書き込んでもいるけど、いま日本の農政が近年まれに見る大転換のときを迎えている。国際競争できる力をつけるべく、日本の農業の担い手を育成していくような制度になっていくのだが、日本の食糧自給率や日本の農村も守れない政府が何を言ってるんだっていうような、私的なコメントも書かせてもらったこともあったが、とくに水田農業においては抜本的な政策転換にもなっているので、気が気でないのは確かである。そのようななか、地域農業維持・発展に「グリーンツーリズムの持つ可能性」も視野に入れた取り組みができないだろうかということで、昨年から何校か受け入れている農業体験型の教育旅行(修学旅行)の実践例をお話してほしいということで、話はあまり得手でないんだけど、担当のオイラが手に汗にぎりながらお話してきたんだけどさ(短時間だったのであまりうまく話せなかった~ぁ、反省)。そして、今日も、ある自治体の農政担当者が見えられて、「農業体験の受け入れの組織をつくりたい」といった相談があり、オイラの会社で取り組んでいる受け入れの方法についてのお話をさせていただいた。
 近年、教育旅行においては観光見物的な旅行ではなく、体験型化してきたこともあり、とくに、「生きる力を育む教育」や「食育」、そして目的達成型ともいうべき旅行形態に変わってきて、多くは農村・農業体験を重要視した教育旅行になってきている。要は、それらを達成するためには、「農山漁村の持つ教育力」というものが重要視されているのだ。一方、農村側においても、前述のような農政転換もさることながら、高齢化や後継者不足、そして農産物の価格低下や自由化問題なども踏まえ、地域農業の維持・活性化に頭を悩めているのが現状である。これら農村の抱える課題や問題の解決策としての方策を、農村移住や教育旅行の受け入れで、またそこから生まれる人からモノへの産直活動などで、自治体や団体、法人などがどんどん積極的に取り組む政策・事業がひとつの考え方としてあってもいいと思うし、むしろ、とくに農村地域は地域ぐるみで総一丸となって取り組むべきだと思う。
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 で、うちの会社の事業の話になってしまうが、このような都市と農村をつなぐパイプ役的な存在としてうちの会社があるわけなんだけどさ、コーディネートをするにおいては、残念ながら受け入れ先がなければ先方に案内もできないということになる。このような農業・農村体験の流れは最近のものでもあるので、もちろんそういった受け入れ体制が整っているというのも、全国的にみてもそんなに多くはない。そういったなかで、学校側の期待、農村側の期待も含めてこの農村体験型の教育旅行の受け入れを農村活性のひとつにできないだろうかと、会社でも体験観光の企画開発事業として、各団体や自治体の担当者と一緒になって農業・農村体験の受け入れ体制をゼロからつくってきているのである。で、たまたまうちの会社が東川町にあるものだから、会社のある地元の東川町から、まずそのような基盤づくりができないだろうかと、JAや役場、観光協会など中心になってグリーン・ツーリズムを推進していく受け入れ組織を立ち上げ、とくに農村体験を中心に農家さんに賛同を得ながら農業・農村体験の受け入れを行っている(実践例は過去「体験観光コラム」ジャンル参照)。このような前例から、「アグリテックさんで東川で受け入れをやっているようですが・・・」と、あちこちから相談にきているのだ。
 このように、オイラの会社ではコーディネート組織ではあるものの、体験観光開発的な企画も同時にやっているので、微力ではあるが、農村が元気になる企画をどんどん一緒に創り上げていければなぁと思っている。だってさぁ、国家や企業や、権力がつぶれても、農業は古来より続いてきたものだから、最近学校が「農の持つ教育力」に注目しているように、「農」が本来持っている「力」というのは、やっぱり、このようなちょっと様子のおかしい時代、人が人らしく生きる根本的な「力」なんだよね、きっと。それが、この数十年物質的欲求が大きくなり過ぎてしまって、「GNH(国民総幸福量)」が見えにくくなってきてしまっているんだ。人が人らしく幸せに生きていくという意味では、多くは土ら離れた不安に起因していると思うが、人を呼ぼうとか町をPRしようとかという頭で考える「能力」を使うのではなく、この自然と人がうまく関わりを持って育んできた農村・農家が持つ「農力」を活かし、この「農力」こそ最大限に発揮させるべき時代が来たのである。地域にまだまだ眠っている「潜在農力」。みんなの、そして地域の「潜在農力」を集結しよう!今、時代は「農」が持つ「農力」に委ねられている!
長くなってしまったが、今回の「体験観光コラム」でした。(つづく)
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by agtec | 2006-12-26 23:57 | ●体験観光レポート
 今年の5月に修学旅行で農業体験に訪れた京都の中学校が、10月、お世話になった農家さんへお礼も兼ねて学習発表会で踊りを披露したいということで、京都と北海道をインターネットで結んだTV中継を行った話を以前したが(そのときの書き込みはこちら)、昨日、学校から学習発表会の踊りの一部始終を収めたDVDと、お世話になった農家さんへ農業体験とTV会議の思い出を含めてひとりひとりのコメントが付いた写真付きアルバムが送られてきた。きっと学習発表のあとに撮影したんだろうね、踊りのときに着ていたはっぴをまとい、これでもかと力強いエネルギーが感じられる立派で、かつ、踊り終わったあとの感動と達成感をそのまま表現したかのような文字で農家さんへのメッセージが綴られていた。
 
 コメントの一部をいくつか紹介すると、
「TV中継でまたみなさんに会えたことで、記憶に残る文化祭になりました」
「久しぶりに北海道の風景が見れてまた行きたくなっちゃいました」
「北海道に行って○○ファームのみなさんに会えたことが一生の思い出となっています。TV中継でまたお会いでき、また会いたくなりました」
「農家のみなさんのおかげで、文化祭も大成功でした。農業体験がなければこのような文化祭にはならなかったでしょう。ありがとうございました」
「文化祭も含めて、農家さんに教わった人生感みたいなものを活かして毎日頑張っています」
「テレビやラジオなど北海道の情報や文字に目が行ってしまいます」
「北海道の農家のみなさんは一生忘れません」
 ・・・などなど。
 
 たかが農業体験されど農業体験というか、こういったコメントが返ってくることはホントにうれしい。ただ、アルバム1冊にまとめられているので、農家のみなさんにお配りすることができなのが残念であるが、この冬反省会を開くのでそのときにDVDの映像とともに見てもらう段取りをつけてみる。個人的に手紙のやりとりをしている農家さんもいるけどね。
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 このような体験型の教育旅行の受け入れを企画する祭に念頭におくのは、その体験用につくられた真似事体験でもなく、上っ面だけをなめるような体験でもなく、学校や旅行社のいいように組まれる疑似体験のようなお手軽体験でもなく、予算がどーのこーのという体験でもない、そこで現に暮らし仕事をされているあるがままのホンモノ体験にこだわった、地元の人たちとの交流感動体験として企画をしている。というか、とりわけ教育旅行における農業・農村体験においてはそうでなくてはならいと思っている。
 今日、教育問題についていろいろととり立たされているが、何度か書き込みもしているけどね、教育現場は、新学習指導要領の「生きる力を育む教育」を目標にした「総合的な学習の時間」の設置や、「特別活動」の時間の枠を広げたり、さらに「食育」というキーワードも出てきたり、「ゆとり教育」が云々と戦後60年、今めまぐるしくかわってきているよね。このへんはみなさんもいろんなメディアでご存知かと思うのであえて詳しくは書かないが、その前に時代背景としてバブル崩壊後「本当の豊かさ」とは何かということが問われている時代であるということを知っておく必要がある。高度経済成長期に追い求めた「お金やモノ」、もちろん大切だが、「物質的豊かさ」というよりはむしろ、精神的な「ココロの豊かさ」、つまり「人」が「人」らしく生きていくためにもがいているような時代が今ではないだろうか。そして、そのもがきの本質的な部分はといえば「人と自然との関係」「人と人との関係」において近年矛盾した関わり方をしてきた不安にあるような気がする。そんな中、教育の話に戻せば、昨今のこども達や教育現場が向かうべき方向性が必然的に見えてくるのではないかと考える(必然というよりは漠然か)。
 その「人と自然」「人と人」との関係においては、特に農林水産業の持つ教育力、つまり自然を相手に生業とした産業に携わるような体験的要素を授業に取り込むことが、教育現場でのこども達の「生きる力を育む」授業の進め方につながってくるのではないかと考える。そして、ただの田植え体験とか、味覚体験とかその部分だけを楽しむようなことではなく、「なぜ」「どうして」とこども達が自ら考え解決する(解決したいと思わせる)ような内容でなくてはならいような気もする。そのような授業の表現舞台として、とりわけ教育旅行での農業・農村体験でいえば、何度か書き込みをしているけど、ホンモノのプロの農家さんによるその日、そのときの普段の当たり前の作業の中での体験が、農家さんもこども達も精神的な高揚を通して感動を共有するような体験になっていくのではないかと考えている(過去体験型観光コラムを参照)。
 今回、このようなこども達のコメントをみるからには、少なからず多少なりともそのようなホンモノ体験の中での感動があったからではないだろうかなと、オイラひとり熱く語ってしまっている今回の「体験観光コラム」でした。(つづく)
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by agtec | 2006-12-01 23:45 | ●体験観光レポート
 5月17日。今年最初の農業体験型の修学旅行を受け入れた日、北海道では高橋はるみ知事の取り組みのひとつで、地域の人と直接お話をしてあるく「まちかど対話」が2年ぶりとなる上川地域であった。北海道では前回もお話したが、「農業」や「食」、「観光」をキーワードにブランド化を推進しており、ちょうどオイラたちが行っている教育旅行の受け入れの日と重なり、東川町での「まちかど対話」として受け入れ農家さんとお話をしながら、修学旅行生と一緒に知事も農業体験をしていただくことになった。
 しかし当初、知事も一緒にということで、さすがに北海道のトップに迷惑がかかってはとか、逆にこどもたちが十分に体験を出来ないのではないだろうかとか、学校側や受け入れ側にとっても不安な要素もあったが、その心配をよそに女性ならではの明るさもあってか知事をはじめ生徒も農家さんも一緒になって楽しく明るく貴重な体験をしていただいた。
 体験内容は受け入れ農家さんにお任せしていたので、その日はちょうど田植えのお仕事があるということで、知事も生徒のひとりとして田植え体験を受け入れ農家さんのてほどきのもと行った。実は田植えは幼少時代以来だというので、知事自身も楽しみにしてたという。また、北海道米をPRしている先頭でもあるので、子供たちに「北海道米と農業のことを考えるきっかけにしてくださいね」とどさん子の思いを代弁してくださった(写真左:高橋はるみ知事)。
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 おかげで子供たちや知事が植えていただいたお米はどんどん成長し、ご存知のようにこのあたりのお米は今年豊作だった。
 そんな知事が植えたお米を食べていただこうと、今日、受け入れ農家さんをはじめ、町長、JA組合長らと一緒に知事が植えていただいたお米の贈呈をしに札幌まで行ってきた。さすがに、北海道のトップともなると分刻みのスケジュールで、たった5分しか面会できる時間がなかったのだが、知事も貴重な体験をしたこともあってよく覚えておいでおられてすぐに話に花が咲いた。場所は、知事公館。なかなか滅多に入れないところで知事がお待ちしており、こちら側から植えた収穫前の稲穂を1株と精米したお米を限られた時間内でお渡しし、しばし談話させていただいた。
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(写真左から、松岡東川町長、JAひがしかわ女性部長竹田さん、受け入れ農家の宇佐見さん、高橋はるみ知事、JAひがしかわ板谷組合長、JAひがしかわ青年部長中田さん、オイラも写りたかったが、事務局として同行していたため、もっぱら進行役と記録写真を撮るので終わってしまった)
 ところで、このごろ北海道米は本州でも人気があがっているという。これまで北海道米というと、あまりいい印象はもたれていなかったようだが、品種改良などもあってどんどん進化している。住めば都かそれとも空気や風土のためか、オイラも北海道米はうまい!と思って食べている。また、修学旅行で農業体験などに訪れた生徒たちも北海道のお米は美味しいというアンケートももらっている。中には、この農業体験をきっかけに受け入れ農家さんから定期的に購入をされいるご家族もいるという話も聞いている。
 このような体験交流を通して、生産者と消費者、そして北海道米をPRし、さらに大きくいえば農政転換期の昨今、日本の米の需要を増やし少しでも農家や農村が元気になってくれればと思うのである。
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by agtec | 2006-11-02 19:52 | ●体験観光レポート
 ここ何日か、本州で言えば県庁や都庁とよばれる行政機関である北海道上川支庁の農政担当者と一緒に、ここ上川管内にて教育旅行における農業・農村体験の推進を目的に、受け入れのコーディネーターとして体験型の教育旅行の受け入れ実績のあるオイラの会社も同行し実践例の説明も兼ねて、管内の自治体の担当課を一緒にまわらせてもらっている。
 今北海道でも「農業」や「食」そして「観光」をドッキングさせて、要はグリーンツーリズム的な活動の推進に力を入れているが、方向性はあっても実際に動き出すまではなかなかいってないというのが現状のようにみえる。北海道本庁でも観光推進室を設けて、道内のこのような体験情報を一本化しトータル的に情報を発信しようとしているようだが、たとえば昨今の教育旅行のようなニーズに対する情報や受け入れ地域を真の情報として探すには、まだまだこのようなニーズに対応できる受け入れ体制があまり整っていない地域が多い中で、体験教育旅行等の情報整備の前にまずはその体制づくりが先のような気もしてならないのだが、まっ、そのように力は入れているのは確かである。
 しかし、本庁とは別に、今のオイラの会社のあるこの上川地域はちょっと違うんだな。北海道の出先支庁である上川支庁では、特に農村活性化を目的とし農政担当課が中心となって「上川管内農業・農村体験ネットワーク推進事業」として本年度より予算を付けて受け入れ体制づくりの取り組みを進めている。
a0064927_23492348.jpg 前回もお話したが、近年、修学旅行が体験型に変わり、特に農業体験など農林水産業の持つ教育力に注目が集まっていることもあり、この管内の一大基幹産業である農業に観光的な要素の光も当てて管内を広域的な視野でネットワーク化を図り農村活性化を目指していこうというものでもある。そう、注目すべくは、自治体の境界を超えて管内を広域な受け入れエリアとしてネットワークで結ぶということだ。
 
 ところで、今なぜ、教育旅行が体験なのか!これは書けば長くなるので、別の機会に改めてお話するが、まずは学習指導要領がかわって「生きる力を育む教育」や「食育」など、授業の一環として取り入れている学校も多く、さらに修学旅行もその学習の延長に考えているところも少なくない。そして、オイラの会社にも頻繁にそのような問合せがくるほど需要は大きくなってきているのだ。
 そんな中、このような需要と、昨今の農政の転換期のさなか、農業農村の活性化のひとつとして管内の自治体の担当課をまわりながら、ネットワーク化を目指し受け入れ体制の整備を行政としても進めていっていることはオイラとしても心強い。

 まずは各自治体の担当課に訪問し、支庁の担当者が支庁の進めている事業の説明をし、次にオイラが実践例としてアグリテックで取り組んでいる受け入れ方法等を説明するのだが、さすがに農業王国北海道。「農家に話をしてもそんな受け入れている余裕はないって言われるんだよなー」という決まり文句。このコトバはオイラはもう慣れっこになってはいるが。そこで、受け入れにおいては負担のかからない、日々の当たり前の作業の中で少人数での受け入れを行っている旨説明をする(受け入れの方法については、前回のコラムを参照)。
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 これまで、どこでもそうであったと思うが、農業体験というと「田植え体験」「収穫体験」など受け入れ側が一生懸命準備して、最高にもてなして、ホントに丸1日の作業をつぶして、さらに安価といったような受け入れを旅行社やお客優位にたって行なわれてきたこともあり、農業体験という「ワード」にはちょっと難色を示すところが多いのが実際である。このようなこれまでの体験は、行楽的な意味合いが強く、旅行社等の企画によって仕組まれてきたパターンが多い。しかし、地方分権だとか地域自立だとかいっているこの時代こそ、もっと自分の地域に誇りをもって、農業が基幹産業であれば、その特性をPRできるような交流事業として、地域のみんなで立案企画し、受け入れる側優位に立って「うちではこのような体験プログラムで行っています!こういうお客は受け入れできません!(ここまで傲慢でなくてもいいが)」と胸を張っていってもいい時代だと思う。そして、特に「農」はそれぞれの地域色が現れる唯一の産業でもあるのだから、わざわざハコものをつくって一村一品だとかと何か新しく地域色をつくらなくても、今の生活・暮らしが地域の宝であり、観光資源でもあることに気付いていただきたい。そう、そういう時代なんです。
 修学旅行というと団体で扱いが大変とか事務的サポートも行政職員が負ったりというコレまでの変な概念があるようだが、受け入れの負担が少ない方法で、受け入れ体制が整っていけば、こどもたちの生涯をも左右するかもしれない青春の1ページを、この地域で担えるということは、最高の誇りになるのでないだろうか。根気強く、支庁で進めているこのような受け入れ体制の整備の協力と、アグリテックでも今以上の受け入れ事業を構築していければと思うのである。
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by agtec | 2006-10-28 20:30 | ●体験観光レポート
「めっちゃ帰りたくないわー」と、農家さんとのお別れ会ではそんな言葉も飛び交った。

a0064927_0561737.jpg 今年度最後の修学旅行での農業体験の受け入れが今日終わった。大きなトラブルもなく、生徒も農家さんも、楽しみながら交流をしていただいた。
 昨日も語ったが、各農家さんのその日、そのときの作業を一緒に体験するということで、なぜ今このような作業なのか、なぜこのようなことが必要なのか、そして自然を相手にするということはどういうことなのか、つい希薄になりつつある季節感も同時に味わっていただけたようだ。
 季節感といえば、残念ながら今宵の空は曇りであるが、今日は中秋の名月「十五夜」でもある。十五夜といえば、もともと五穀豊穣、収穫に感謝をするという意味がある。そんな日の受け入れであった。自分の口に入る農産物が、このような過程を経て食卓にのぼり、オイラたちは生かされているということも学んだのではないだろうか。畑と食卓のキョリとは以外と近くて遠いのだ。このキョリをこのような形で縮めていければと思う。
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a0064927_0482927.jpg  さて、体験内容はというと、写真のように受け入れ農家さんの経営内容によってもちろん違ければ、同じ経営をされていても、作業内容が違ったりして、ホントにその日、そのとき、その農家のその場面、ここでしか味わえない体験メニューが揃う。農業は、日本型というべき家族経営が多いので、個々の農家で、それぞれ個性のある仕事をつくりあげることができる唯一の産業だ。
 「百姓」というコトバがあるが、地域内に個性豊かな知恵や、技をもった方々が大勢いる。「うちの町はなんにもねぇからなぁ」という「ないものねだり」ではなく、今ここにあるものが宝なのである。農業ももちろんそうだが、他の産業にも多くの技をもった方々がいる。「○○の町」という単一的なものではなく、地域に数多の匠がいる「百匠の町」なんてどうだろう?魅力的だと思わない?
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 引率の先生は、オイラたちスタッフの案内で体験している様子を一通り見てまわるのだが、決まって「いろんな作物があるんですね」と驚嘆する。聞けば、北海道は酪農とかじゃがいもなどのイメージが強いようだ。普段観光ルートでは通らない裏道や畦、田んぼの中、丘陵地、農道などをもちろん通るわけだから、違う角度からこの町の魅力を知ってもらうこともできる。生徒もそうだが、農業体験プログラムの最中、引率の先生は普段できない観光を実はしちゃってるのである。
 さらに引率の先生はこうも付け加える。「体験が終わったあとの生徒の顔つきが生き生きした顔つきに変わった」と。先述で、経営内容が違うからたくさんの体験メニューがあるって語ったけど、経営作物の違いによる体験メニューの多様さやその作物だから感動するというよりはむしろ、最終的には作物や体験内容を介して、「生徒」と「農家」、つまり「人」と「人」との付き合い(交流)なんだろうと思う。特に教育旅行(修学旅行)においては、楽しい青春の思い出づくりという側面も合わせもつ学校行事なだけに、下手するとただの農作業研修的になってしまう危険性ももちあわせているこのような体験を「感動体験」に変えているのは、昨日語ったように、ホンモノのその人のいきざまに直接触れ合うような交流が土台にあるように思う。そこを見失わないようにしていきたい。
 昨日、受け入れ農家さんの変更があったりと資料の整理に追われながら、受け入れの日をむかえたわけだが、生徒も先生も、そして受け入れ農家さんも含め、いろんな意味で「他火(旅)」をしていただいたよう。反省や見直すべきことも多々あるが、来年もこのような活動を推進していければと思う。
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by agtec | 2006-10-06 23:13 | ●体験観光レポート

農業体験受け入れ準備

 時刻はもう明日になる・・・。
 今年度最後となる、農業体験型の修学旅行の受け入れが明日ある。昨日も最近の修旅について語ったが、学校は大阪の公立高校で、やはり航空機を利用して、ここ北海道を目的地としている。そして全旅程中、観光は小樽くらいで、あとは農業体験も含めアウトドア体験など体験型の旅行だ。
 さて、このような教育旅行での上川地区農業体験の担当責任者のようになっていまっているオイラはというと、いつものことながら、受け入れ農家さんの作業や季節柄の都合上、協力していただける農家さんは限られれてくるのが現状で、受け入れ日近くなって、バタバタと決まっていくことが多く、スタッフは受け入れ農家が決まってから、当日の受け入れが問題なく安全・安心に実施されるように、受け入れの段取りや変更になった農家さんの資料づくり、そして緊急の場合の連絡体制の確認など改めて調整しなおし、万全な受け入れ態勢にするのだが、その調整真っ最中に気分転換でブログを書いている。
 ところで、なぜ受け入れ農家が決まるのが難航するのか。このあたりではこのような農業体験の受け入れの免疫は殆どなかった地域で、ある意味ゼロから地域にある農村資源を活用した町づくり的活動をはじめたのはここ最近。中には個々に生産者と消費者との交流ということで、古くから活動してこられた農家さんも少なくはないのだが、それら点の活動をエリアとして行うことによって、自分の住んでいる地域の再発見と、5年後も10年後も住んでいてよかったと思える地域づくりとしての取り組みにできないだろうかという側面も合わせもった企画をしているのだから、これまでそんな受け入れをしたことがないという農家さんにも受け入れのお願いをしに行ったりしているわけで、農家さんにとってみたらオイラには会いたくないと思っている農家さんもいるんじゃないだろうかと思うこともしばしばである。
 しかし、かたくなに拒んでらっしゃった農家さんが、いよいよ受け入れ農家さんがなく最後の頼みに行って、仕方なく受け入れるような感じで対応してもらったことがあったが、体験が終わって生徒とお別れとなると、「なんだい!もうそんな時間かい。もっといねぇーのかい。なんだよー、おまえら大きくなったらまた来いよー。植えていった苗なぁ、収穫したら送っからなぁー」と、人が変わったように生徒を見送っていただいたことがあった。今ではその農家さんは常連になっている。
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 体験メニューはあえてつくらず、農家さんにすべて委ね、その日そのときの農家さんの作業を通した体験を行っている。3~4名くらの少人数での受け入れをお願いしているのも、農家さんの負担を少なくし、目の届く範囲でより深い交流を目的にしていることもある。逆に体験メニューをつくっておもてなし的な内容になると、結構「ホンモノ」やココロの中の「ホンネ」の部分というのは上っ面だけになってしまうと考えるからだ。農家も日々の作業に真剣に向き合っているわけで、そのとき、その場面でしかできない体験をすることによって、生徒も真剣にその作業の意味や疑問、驚きなどを発見していく。そして農家側も当たり前のものへの意外な発見や、地域文化の再確認をする。双方向的にそれらいきざまに触れるようなホンモノ体験を通じて、精神的感情が高まり「感動体験」が生まれるのではないかと考えるのだ。そういった感動体験が「人」としての「個」の部分の成長に何かしら役にたってもらえたらと、オイラの勘違いかもしれないが、そう思ってプロの専業農家さんによるホンモノ農業体験の企画を続けている。
 さて、明日はどのような感動体験が生まれるのか。そして生徒にとってもどんな「他火(旅)」になるのか。まずは、それを演出するためにもこの机にある資料を整理して受け入れの段取りの準備をしなくてはー!うぉー!!資料が山積みだぁ・・・。
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by agtec | 2006-10-05 23:47 | ●体験観光レポート
 修学旅行といえば、栃木県出身のオイラが行った先は、決まって京都・奈良方面だった。特に京都は中学校で1回、高校で1回と2回も行っている(社会人になって仕事でも何度か行ってるけど)。当時は新幹線がベタでね。貸切車両でワイワイ騒ぎながら行ったもんだ。高校のときはさすがに、もうちょっと先の広島まで行ったけどね。これも新幹線で。でも、当時の関東方面の公立学校はそんなもんなんじゃなかっただろうか。
 しかし、最近の修学旅行は、陸路よりはむしろ、航空機を利用してより遠隔地志向が高いようだ。そして、観光地めぐりよりはむしろ、体験活動重視の目的達成型の修学旅行に変化してきている。
 この変化のひとつに、明治の改革以来ともいうべき「学習指導要領」が改訂され、教育改革のひとつの「ゆとり教育」の象徴ともいえる「総合的な学習の時間」が導入されて久しい昨今、特に「生きる力を育む教育」としての各学校独自の授業スタイルへの変化が教育現場に起こったということがあげられる。そして、それらをホントの意味で総合的に学べる素材が、大自然を相手に生産と生活が一体となった一次産業とよばれる農林水産業の持つ力だ。いま「食育」や「環境学習」、「風土や社会学習」の分野などからも、特に「農」の持つ教育力に注目が集まっているのである。旅程を組む上で本州の学校にとってみれば、遠隔地、そして農林水産業といったら、北海道はもってこいの旅行地になっているのも事実である。そして、オイラの会社はそういった教育旅行をはじめとする体験観光をコーディネートする企画会社でもあり、とりわけ、ここ数年、修学旅行の農業体験の受け入れの企画をここ北海道のど真ん中で行っている。このような時代の変化がなければ、うちのような会社自体存在しなく、オイラもここで働いているということもないのだから、時代の変化とはおかしなものである。
 さて、今回は、(たまたま枕で京都の話も出てきたが)今年5月に農業体験で訪れた、京都市立西ノ京中学校の生徒が、修学旅行でお世話になった農家のみなさんに、総合的な学習の発表の場でもある学校祭にて、3年間の集大成もかねて踊りを披露したいということで、昨日「インターネットっていう便利な時代だ」という話をしたばかりだが、ネット回線を利用してその踊りを生中継するという取り組みが実現し、今日そのネット中継を行った。
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 写真はそのときの様子。3年生約120人を、空知地方と、オイラの会社のある上川地方で半々ずつに分かれ、そのうちの約60名が3~4名づつのグループをつくって、ホンモノのプロの農家さんのところで、日々の農作業体験を行うという企画に参加した。農業体験の企画内容は長くなるのでまた別の機会にお話するとして、今回お世話になった農家さんにご案内して、ネット環境が整備されているうちの会社の事務所まで来ていただいて、生徒と受け入れ農家さんが約5ヶ月ぶりに再会した。受け入れ後も、私的に交流している農家さんもいて、本ブログタイトルにもなっているが「他(人)」の「火(ココロ)」に触れ合う「他火(旅)」になってくれたようだ。学校としてこのように農家さんへ踊りの披露をしてくれるというような交流にまで発展してくれたことはうれしい。まだ、中学3年生だが、今度は大人になって自分で旅費を稼いでまたこの北の大地に足を運んでほしいものである。
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by agtec | 2006-10-04 23:52 | ●体験観光レポート
いよいよ山間部だけではなく平地にも雪が積もってきた。まだ降っては溶けて、溶けては降っての繰り返しだが、この11月中旬の天候は怖い。昨日は暖かかったなぁと思うと、今日は白銀の世界。 そんなこんなで雪が積もっていくわけだが、ブラックアイスバーンという路面凍結の恐怖もいつおとづれてもおかしくない時期。というわけで、この週末はスタッドレスタイヤに履き替える光景があちこちでみかけられた。そういうオイラも日曜日に履き替えた。タイヤ交換は北海道の風物詩のひとつといっても過言ではないと思う。

●クラフト街道a0064927_1929859.jpg
さて、ブログを発信している場所東川町。会社の事務所もこの町にあるのだが、東川町は実はアーティストの町でもある。町内には多くの写真家や陶芸、家具、クラフト作家が在住し創作活動を展開している。中でも「岐登牛(キトウシ)」地区は多様な作家さんが集中しており、写真のように「クラフト街道」と呼ばれている。その殆どは、創作活動だけでなくアトリエと併設してギャラリーを構えており、愛好家や旅行者が気軽に立ち寄れるようになっている。
 クラフト街道には、木工クラフトの「鈴木工房」や、陶芸の「理想夢工房」、おそらく道内唯一の木象嵌作家であろう「相和工房」。街道をさらに奥に進めば、廃校を利用した「北の住まい設計社」の家具工房がある。これらの各工房やギャラリーについては、この「地域の他火人(創作編)」カテゴリー内にて追って詳しく紹介していきますのでよろしくお願いします。

●オーダーメイドの創作活動
 そもそもなんでこんなに多くのアーティストがこの東川町を拠点に活動を行っているのか。東川町はもともと豊かな森林資源を背景に発展してきた旭川家具の一翼を担う家具・木工の町でもあり、町内には昔から家具メーカーや個人事業者も多くいた。しかし、バブル崩壊の大打撃の影響もあったが、それぞれ積み上げてきた職人の高い技術と、北海道の開拓の精神を背景に今もなお、数は減ったものの家具・工芸の町として健在である。
 そんな各メーカーで共通するのはオーダーの対応。オイラが携わっている体験旅行もそうだけど、われわれ消費する側が個人志向の目的重視に変わってきたこと。つまりオーダーメイドの「only-One」を求めている。それにあわせてメーカーも個人向けの対応を惜しまずやってきた。同じ家具でも全く違う、自分だけの家具。求めるものが多様化すれば、メーカーも多様化する。いつしか、さまざまな作家のいる町として知らず注目も浴びるようになった。また、点在しているメーカーは大きな会社もあるが、殆どが個人事業主が多い。自分のやれる範囲で仕事をしている。生き残っていくには、大量販売大量生産ではなく、少量多品目を実現しているのである。

●移住者
 それぞれの作家さんたちの中に共通点をもうひとつあげるとすれば、町外や道外からの移住者による作家が多いということ。後に紹介していくが、隣旭川市から東川町に移住して活動を行っている方や、関東から移住してこられた方もいる。車で30分のお隣の旭川市出身の作家さんに聞くところによると、「大雪山麓に位置する東川町は、豊かな自然も多く、創作活動に没頭できる」地域なんだとか。確かにアトリエは森に囲まれ、鳥のさえずりはもちろんエゾリスなんかも顔を出し、何かに集中するには適している。作品にもその豊かな自然をモチーフにしたデザインやアイディアも盛り込まれ温かみのある作品が多い。

 クラフト街道をはじめ北海道は、これから厳しい冬を迎えるが、それぞれの作家さんたちが手がける作品は暖炉の火のような温かみが伝わってくる。
 
 次回は、クラフト街道にあるギャラリーのひとつ、陶芸の「理想夢(りぞうむ)工房」をご紹介します。
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by agtec | 2005-11-14 21:12 | ●体験観光レポート