自分の心の火が揺らついているとそれを整え直すのに「他」の「火」にあたりにいきたくなるもの。民俗学では「旅」を「他火」と書くそうだ。そんな「他」の「火」にあたりながら考察する「夢多(ムダ)」の多い日誌。


by agtec
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農業体験後のその後、そしてまたその後・・・。

 今年の5月に修学旅行で農業体験に訪れた京都の中学校が、10月、お世話になった農家さんへお礼も兼ねて学習発表会で踊りを披露したいということで、京都と北海道をインターネットで結んだTV中継を行った話を以前したが(そのときの書き込みはこちら)、昨日、学校から学習発表会の踊りの一部始終を収めたDVDと、お世話になった農家さんへ農業体験とTV会議の思い出を含めてひとりひとりのコメントが付いた写真付きアルバムが送られてきた。きっと学習発表のあとに撮影したんだろうね、踊りのときに着ていたはっぴをまとい、これでもかと力強いエネルギーが感じられる立派で、かつ、踊り終わったあとの感動と達成感をそのまま表現したかのような文字で農家さんへのメッセージが綴られていた。
 
 コメントの一部をいくつか紹介すると、
「TV中継でまたみなさんに会えたことで、記憶に残る文化祭になりました」
「久しぶりに北海道の風景が見れてまた行きたくなっちゃいました」
「北海道に行って○○ファームのみなさんに会えたことが一生の思い出となっています。TV中継でまたお会いでき、また会いたくなりました」
「農家のみなさんのおかげで、文化祭も大成功でした。農業体験がなければこのような文化祭にはならなかったでしょう。ありがとうございました」
「文化祭も含めて、農家さんに教わった人生感みたいなものを活かして毎日頑張っています」
「テレビやラジオなど北海道の情報や文字に目が行ってしまいます」
「北海道の農家のみなさんは一生忘れません」
 ・・・などなど。
 
 たかが農業体験されど農業体験というか、こういったコメントが返ってくることはホントにうれしい。ただ、アルバム1冊にまとめられているので、農家のみなさんにお配りすることができなのが残念であるが、この冬反省会を開くのでそのときにDVDの映像とともに見てもらう段取りをつけてみる。個人的に手紙のやりとりをしている農家さんもいるけどね。
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 このような体験型の教育旅行の受け入れを企画する祭に念頭におくのは、その体験用につくられた真似事体験でもなく、上っ面だけをなめるような体験でもなく、学校や旅行社のいいように組まれる疑似体験のようなお手軽体験でもなく、予算がどーのこーのという体験でもない、そこで現に暮らし仕事をされているあるがままのホンモノ体験にこだわった、地元の人たちとの交流感動体験として企画をしている。というか、とりわけ教育旅行における農業・農村体験においてはそうでなくてはならいと思っている。
 今日、教育問題についていろいろととり立たされているが、何度か書き込みもしているけどね、教育現場は、新学習指導要領の「生きる力を育む教育」を目標にした「総合的な学習の時間」の設置や、「特別活動」の時間の枠を広げたり、さらに「食育」というキーワードも出てきたり、「ゆとり教育」が云々と戦後60年、今めまぐるしくかわってきているよね。このへんはみなさんもいろんなメディアでご存知かと思うのであえて詳しくは書かないが、その前に時代背景としてバブル崩壊後「本当の豊かさ」とは何かということが問われている時代であるということを知っておく必要がある。高度経済成長期に追い求めた「お金やモノ」、もちろん大切だが、「物質的豊かさ」というよりはむしろ、精神的な「ココロの豊かさ」、つまり「人」が「人」らしく生きていくためにもがいているような時代が今ではないだろうか。そして、そのもがきの本質的な部分はといえば「人と自然との関係」「人と人との関係」において近年矛盾した関わり方をしてきた不安にあるような気がする。そんな中、教育の話に戻せば、昨今のこども達や教育現場が向かうべき方向性が必然的に見えてくるのではないかと考える(必然というよりは漠然か)。
 その「人と自然」「人と人」との関係においては、特に農林水産業の持つ教育力、つまり自然を相手に生業とした産業に携わるような体験的要素を授業に取り込むことが、教育現場でのこども達の「生きる力を育む」授業の進め方につながってくるのではないかと考える。そして、ただの田植え体験とか、味覚体験とかその部分だけを楽しむようなことではなく、「なぜ」「どうして」とこども達が自ら考え解決する(解決したいと思わせる)ような内容でなくてはならいような気もする。そのような授業の表現舞台として、とりわけ教育旅行での農業・農村体験でいえば、何度か書き込みをしているけど、ホンモノのプロの農家さんによるその日、そのときの普段の当たり前の作業の中での体験が、農家さんもこども達も精神的な高揚を通して感動を共有するような体験になっていくのではないかと考えている(過去体験型観光コラムを参照)。
 今回、このようなこども達のコメントをみるからには、少なからず多少なりともそのようなホンモノ体験の中での感動があったからではないだろうかなと、オイラひとり熱く語ってしまっている今回の「体験観光コラム」でした。(つづく)
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by agtec | 2006-12-01 23:45 | ●体験観光レポート