自分の心の火が揺らついているとそれを整え直すのに「他」の「火」にあたりにいきたくなるもの。民俗学では「旅」を「他火」と書くそうだ。そんな「他」の「火」にあたりながら考察する「夢多(ムダ)」の多い日誌。


by agtec
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今年度の農業体験無事終了

「めっちゃ帰りたくないわー」と、農家さんとのお別れ会ではそんな言葉も飛び交った。

a0064927_0561737.jpg 今年度最後の修学旅行での農業体験の受け入れが今日終わった。大きなトラブルもなく、生徒も農家さんも、楽しみながら交流をしていただいた。
 昨日も語ったが、各農家さんのその日、そのときの作業を一緒に体験するということで、なぜ今このような作業なのか、なぜこのようなことが必要なのか、そして自然を相手にするということはどういうことなのか、つい希薄になりつつある季節感も同時に味わっていただけたようだ。
 季節感といえば、残念ながら今宵の空は曇りであるが、今日は中秋の名月「十五夜」でもある。十五夜といえば、もともと五穀豊穣、収穫に感謝をするという意味がある。そんな日の受け入れであった。自分の口に入る農産物が、このような過程を経て食卓にのぼり、オイラたちは生かされているということも学んだのではないだろうか。畑と食卓のキョリとは以外と近くて遠いのだ。このキョリをこのような形で縮めていければと思う。
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a0064927_0482927.jpg  さて、体験内容はというと、写真のように受け入れ農家さんの経営内容によってもちろん違ければ、同じ経営をされていても、作業内容が違ったりして、ホントにその日、そのとき、その農家のその場面、ここでしか味わえない体験メニューが揃う。農業は、日本型というべき家族経営が多いので、個々の農家で、それぞれ個性のある仕事をつくりあげることができる唯一の産業だ。
 「百姓」というコトバがあるが、地域内に個性豊かな知恵や、技をもった方々が大勢いる。「うちの町はなんにもねぇからなぁ」という「ないものねだり」ではなく、今ここにあるものが宝なのである。農業ももちろんそうだが、他の産業にも多くの技をもった方々がいる。「○○の町」という単一的なものではなく、地域に数多の匠がいる「百匠の町」なんてどうだろう?魅力的だと思わない?
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 引率の先生は、オイラたちスタッフの案内で体験している様子を一通り見てまわるのだが、決まって「いろんな作物があるんですね」と驚嘆する。聞けば、北海道は酪農とかじゃがいもなどのイメージが強いようだ。普段観光ルートでは通らない裏道や畦、田んぼの中、丘陵地、農道などをもちろん通るわけだから、違う角度からこの町の魅力を知ってもらうこともできる。生徒もそうだが、農業体験プログラムの最中、引率の先生は普段できない観光を実はしちゃってるのである。
 さらに引率の先生はこうも付け加える。「体験が終わったあとの生徒の顔つきが生き生きした顔つきに変わった」と。先述で、経営内容が違うからたくさんの体験メニューがあるって語ったけど、経営作物の違いによる体験メニューの多様さやその作物だから感動するというよりはむしろ、最終的には作物や体験内容を介して、「生徒」と「農家」、つまり「人」と「人」との付き合い(交流)なんだろうと思う。特に教育旅行(修学旅行)においては、楽しい青春の思い出づくりという側面も合わせもつ学校行事なだけに、下手するとただの農作業研修的になってしまう危険性ももちあわせているこのような体験を「感動体験」に変えているのは、昨日語ったように、ホンモノのその人のいきざまに直接触れ合うような交流が土台にあるように思う。そこを見失わないようにしていきたい。
 昨日、受け入れ農家さんの変更があったりと資料の整理に追われながら、受け入れの日をむかえたわけだが、生徒も先生も、そして受け入れ農家さんも含め、いろんな意味で「他火(旅)」をしていただいたよう。反省や見直すべきことも多々あるが、来年もこのような活動を推進していければと思う。
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by agtec | 2006-10-06 23:13 | ●体験観光レポート